自作プリント基板に挑戦しました
2017/4/5 追記: 初挑戦だったのもあり、情報が不十分な箇所があります。この記事upの約1年後の追記にて補足していますので、こちらもご覧ください。
もう4月も終わりで、環境が新しくなった方はそろそろ慣れ始めてきた頃でしょうか。
先週の基本情報技術者試験が終わってからはRasPiのリモート接続設定や基板作りをやってました。今回は自作プリント基板の方について書きたいと思います。
今回、私が用いた材料・道具は以下のものになります。( )のなかに適宜、購入元を書いています。
- クエン酸(100均)
- オキシドール(Amazon)
- 食塩
- アセトン(Amazon)
- レーザープリンタで印刷した基板のパターン(ファミマ)
- 水
- お湯
- 生基板(Amazon)
- アルミ箔
- コピー用紙1枚
- アイロン 又は ラミネーター
- 割り箸
- (アイロン台)
- (使わなくなったスプーン)
- (ピンセット)
- (プラスチック板カッター)
さて、次は手順です。
1. 基板データ作り・印刷
私はPCB-CADにKicadを使っているので、今回もKicadで基板データを作りました。
ここらへんは個人で異なると思いますが、印刷してスキャン、ペイントソフトで白黒反転、修正しました。もっと効率のいい方法があると思いますので、他の方法を知りたい方はCADソフトに詳しいお方の方法を参考にするといいと思います。
反転後、修正がてら失敗した時用に多く作っておきました。
できたパターンデータを近くのコンビニやらスーパーやらのレーザープリンタで印刷してきます。家にレーザープリンタがあるなら、それを使ってもいいかもしれません。インクジェットではできないので注意です。
2.基板カット・パターン転写
生基板から作りたい基板のサイズに合わせてカットします。
私はプラスチック板カッターでカットしましたが、シャー(工具)などがある方は切断しやすい方でやりましょう。もちろん、その過程で表面の銅箔を削ったら元も子もないですが...笑
ここで、水にクエン酸を混ぜた水溶液で基板を洗浄します。
写真では金属スプーンを使っていますが、混ぜる時や基板をつける時は割り箸を使った方がいいです。
水溶液は大量に作らなくても、基板が浸かる程度で十分です。この液に10円玉を入れると綺麗になったりします(笑)
基板が綺麗になったら、印刷した基板のパターン(以下、転写紙)を水につけて、印刷側と銅箔側を貼り付けます。転写紙は濡れた状態で構いません。
続いて転写です。アイロンを最高温に設定しましょう。アイロン台に基板、その上にコピー用紙を乗せてアイロン掛けします。コピー用紙をめくってみて、転写紙が白く乾いていたら基板をコピー用紙の上に置いて、直接アイロン掛けします。少し圧をかけて、数十秒アイロン掛けします。
少し冷ましてピンセットで基板をつまんで水につけ、またアイロン掛けの工程を繰り返します。私はこれを3回繰り返しました。
転写はラミネーターでもできます。基板の温度が80〜90℃で4〜5回圧着をかけるといいようです。
終わったら基板をしばらく水につけておきます。転写紙の紙の部分がふやけるくらいまでつけたら、紙の部分を指の腹で剥がしていきます。ちゃんと転写できていたら、少々強めに剥がしに行っても印刷部分は剥がれないと思います。エッチング(銅箔を溶かす)部分が露出するくらい剥がれたら、次の工程に移ります。
回路パターンの貼り付けがうまくいってなかった場合は、4.の工程で転写紙を剥がしてもう一度 2.からです。
3.エッチング
第二塩化鉄を用いた方法もあるので、それについては下の方へ...
ここではクエン酸式について説明します。
オキシドールとクエン酸、食塩が25:5:1くらいになるように取って容器の中に入れ、混ぜていきます。
十分に混ざったら、大きい容器に沸かしたお湯を入れ、その中にエッチング液を入れた容器を浮かせます。そして2.で作った基板をエッチング液に投入します。
コポコポと基板の表面に泡が出てきて、しばらくすると容器の底が青っぽくなってくると思います。
この時、ときどき基板を引き上げて光にかざし、どれだけエッチングできたか確認しながらやるといいと思います。私はおよそ15分くらいのエッチングでした。
エッチングできたところは光が透過されています。これでだいたいパターン通りになってたら引き上げていいと思います。そして次の工程に移ります。
4.トナー落とし・後処理
基板に残ったトナーを落とします。私はアセトンを使いましたが、ワッカーシンナー、紙やすりでもできます。アセトンはガラスやポリプロピレンの容器に入れて使用した方がいいです。
アセトンの中でゆすいでも剥がれなかったら、取り出してピンセットや布で剥がしちゃいましょう。
トナーを剥がせたら、自作プリント基板の完成です!
わたしが作った基板はこんな大きさでした。結構細かいのでもいけちゃいました。
続いて後処理です。アセトンは新聞紙などに染み込ませて可燃ごみ行きです。エッチング液はアルミ箔を入れて処理します。この時に熱が発生するので、大きい容器に冷水を入れて、その中に浮かべて反応させましょう。
反応が終わると赤っぽいふにゃふにゃした物体が浮いてます。銅が析出されています。ここからは結構時間がかかります。中の液体が透明になるまで置いておきましょう。大丈夫そうなら中性かと銅が溶けていないかを銅イオン試験紙で確認して、銅をろ過して排水します。
基板作りの工程としては以上です。あとは穴あけ、部品実装になりますが、ここでは省きます。
実は今回の基板作りは2回ほど失敗しています。
なにせ初めてでしたので笑
一回目が右側、二回目が左側です。二日目の3回目で成功しました。
成功品と出来栄えを比べると全然違いますね。
今回のプリント基板の自作において、以下のページ、動画を参考にさせていただきました。そして、工作工房さん(@kousakukoubou)にご丁寧にアドバイスをいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
A's LabⅡ : プリント基板を自宅で安く簡単に自作しよう(作り方)
↑こちらではエッチング液に第二塩化鉄を用いています。
トナー熱転写式プリント基板制作 by suzukitti ニコニコ技術部/動画 - ニコニコ動画
↑こちらでは転写紙に妙楽堂の転写紙を用いています。また、印刷方法から丁寧に解説されています。エッチングにはクエン酸式を用いています。
エッチングの仕上がり具合ではクエン酸<第二塩化鉄のようです。また妙楽堂の転写紙とともに作り比べてみたいと思います。
さて、これからできた基板に部品をはんだ付けしていきます。できたらまたTwitterに上げます。これで思う存分SMDの実装もできると思うと楽しみです(笑)
何かおかしいところや質問等あれば是非受付けるつもりなので、お気軽にどうぞ。
Amazonで購入したものについてはリンクを貼っておきます。
それでは次の更新まで。そして素敵なGWを。
See you again!
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